§1§
「さあかかってきな!甲板長さん!」
「その減らず口を黙らせてやる!」
強い日差しが照りつけるBand of lightの甲板で、二人の戦士は同時に動いた。放たれた斬撃が、太陽の日差しを浴びて交差する。
「このBand of lightの甲板長は俺だ!それが俺の誇りだ!それをお前のような奴に譲れるものかよ!」
ディックはそう叫ぶと、ニーナに向けて力強い斬撃を加えた。しかし、手加減のないその斬撃を、ニーナは華麗とも言える体捌きでかわす。
「はっ!こんな大振りな剣術で甲板長だって?聞いて呆れるね!」
「何を!」
「本当の剣術ってのはこういうのを言うのさ!」
ニーナはそう言うと、ディックに向けて、矢継ぎ早に斬撃を浴びせた。ディックの剣を燃え盛る炎に例えるならば、ニーナの剣は風・・・恐らく正式の剣術を学んでいるのだろう、フェイントを加えた斬撃にディックは翻弄される。
「くっ!ちょこまかと・・・」
繰り出される斬撃を受け止めつつ、ディックは反撃の機会を探っていた。確かにニーナの隙のない連続攻撃はディックを翻弄している。しかし、一つ一つの攻撃は軽いのだ。
「どうしたんだい甲板長さん!足が止まってるよ?もうおねんねかい!」
ニーナは攻撃を繰り出しながらディックを嘲弄する。しかし、ディックは黙ったまま攻撃を受ける事に専念していた。
「これで終わりさ!!」
ディックが反撃しない事を好機と捉えたのだろう、ニーナは一歩踏み込んでディックに鋭い斬撃を繰り出した。そして、その斬撃がディックを捕らえたかと思われたその瞬間、ディックは斬撃をよけるのではなく、ニーナに向けて一歩踏み込んだ。
「待ってたぜ、この瞬間をな!」
「な・なんだって!」
ディックが前に踏み込んだ事によって、ニーナの斬撃は空を切る。そして、ディックはそのままニーナに体当たりを食らわせた。その衝撃でニーナは後ろに倒れこんだ。ディックの肩が胸に当たったのだろう、すぐには起き上がれず苦悶の表情を浮かべる。
「所詮は女だな、力では男に敵わない事がわかっただろう!」
そう言いながら見下ろすディック・・・・しかし、ニーナはディックを睨みつけると、ディックに向けて唾を吐いた。
「はっ!まだ勝負は終わっちゃ居ないよ!ごたくを並べる前にさっさとかかってくりゃどうだい!」
「こいつ!!」
ニーナの言葉に激昂したディックは、まだ起き上がれていないニーナに襲い掛かった。しかし、ニーナは素早く体を起こすと、ディックの足に足払いをかけた。ディックはバランスを崩して顔から甲板に倒れこむ。
「ぐっ・・・」
「甲板長!あんたはとんだ甘ちゃんだね、敵の戦闘力を奪うまでは攻撃の手を休めない、それが戦いの基本だろう?さっさと立ちな!決着をつけてやるよ!」
ニーナは倒れこんでるディックを罵る。ディックは素早く立ち上がると間合いを取った。
「それはこっちの台詞だ!もう手加減はしねぇ、次で終わらせてやる!」
再び剣を構えた二人は、間合いを取りながら相手の様子を伺う・・・・そして、二人は同時に斬撃を放った・・・・・
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posted by ラドリック at 22:43|
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