2007年07月19日

霧の街に潜む闇(LSL)

§1§



霧の街ロンドン・・・・その名に違わぬ深い霧の中を、一人の女性が走っていた。彼女は何かに怯える様に何度も後ろを振り向きながら、ただひたすら走り続ける。

(こんなことなら早く帰ればよかった!)

彼女も最近ロンドンに流れる吸血鬼の噂は知っていた。「燃えるような赤毛の吸血鬼が、夜な夜な女性の生き血を吸うためにロンドンを彷徨っている」と・・・しかし彼女は本気にはしておらず、ついつい友達との会話に夢中になって帰るのが遅れたのだ。

(まさか・・・・まさか本当に居たなんて!)

彼女は後ろを気にしながら更に走った。既に自分がどこを走っているかもわからない。ただ後ろから迫ってくる気配から逃げる為に走り続けた。

「!!」

走り続けていた彼女の足が止まった・・・入り込んだ路地が行き止まりだったのだ。彼女の目の前にあるのは高い壁・・・・そして、彼女はその壁を背にするように振り向いた。

「来ないで!」

夜の闇と深い霧によって、彼女を襲うべき吸血鬼の姿は見えない・・・しかし、霧に包まれていてもわかる圧迫感が、彼女の心を揺さぶった。そして・・・・霧の中から緑のコルセアコートに包まれた何かが現れる・・・・

「いやぁぁあああ!!!」

そして、彼女の悲鳴は夜の闇と深い霧に隠された・・・・・



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posted by ラドリック at 01:40| Comment(7) | TrackBack(0) | 航海者達の日誌(番外編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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