2008年06月24日

亀裂 §後編§

§1§



「・・・・なんでってんだ、どいつもこいつもよ・・・・」

ディックはそう呟くと、グラスの中の酒を一気にあおった。喉に焼けるような痛みが走るが、ディックはお構い無しに飲み続けた。

「船長も船長だ、あんな奴をいきなり副甲板長にするだと・・・?」

ディックは酒瓶からグラスに酒を注いだ。Band of lightを後にしたディックは、丁度ロンドンから出航する商船に強引に乗り込むとコペンハーゲンへと向かった。何かあてがあったわけではない。ただロンドンから離れたかっただけだった。そして、コペンハーゲンで船を下りたディックは酒場に入ると、酒場の隅で酒瓶を抱えて飲んだくれていたのである。

「ロイの奴は俺と組むより冒険を選んだ・・・そりゃ、俺だってわかっているさ、確かにロイよりあの女の方が腕は遥かに上だ・・・だがよ・・・」

ディックは酔眼でグラスに注がれた酒を見ると一気に飲み干した。そして空のグラスに酒を注ぐ。

「俺とロイは・・・・昔から・・・そう、昔から一緒にやってきたんだ・・・・そう・・・あの時も・・・・」





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posted by ラドリック at 00:10| Comment(4) | TrackBack(0) | ラドリックの航海日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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