2006年08月16日

甲板長の憂鬱(ディック)


「左舷1番から8番まで装填完了しました!」

「よし、目標左舷ピンネース級、距離280・・・・ファイエル!」


エルウッドの号令と共に、ファルコン砲に装填された砲弾が、カテガット海賊の船に放物線を描いて飛んでいく・・・俺はそれを目で追いながら、ため息をついた。

「暇だなぁ・・・・」

「兄貴・・・何言ってるんですか、そんなに暇ならちょっとは資材の運搬とか手伝ってくださいよ!」

俺の呟きが聞こえたのか、後ろでちょこまかと補修用資材の運搬をしていたロイの野郎が、俺に向かって言ってきた。

「あのなぁロイ・・・・俺は資材を運ぶ為に甲板長やってるんじゃねぇんだよ」

「・・・・・兄貴、甲板長って何の仕事するのか知ってます?」

俺の言葉に半ば呆れながらロイが聞いてくる。

「そりゃお前、甲板長って言ったら、白兵戦の時にその指揮を取る・・・」

「そりゃ、それも主な仕事ですがね・・・・甲板長ってのは、白兵戦以外にも水夫を統率して、船上の諸作業指揮をするのが甲板長ですぜ?」

ボーっとしている俺に構わず、ロイは更に言葉を続ける。

「だから、白兵戦が無い時には船の補修用の資材を運んだり、砲弾を運んだり・・・・」

「お前が指揮すりゃいいじゃないか、俺はまっぴらごめんだぜ・・・・なんかあれば呼んでくれ、俺は下に下りてる」

「あ〜に〜き〜・・・・」

困った顔をするロイを尻目に、俺は手をひらひらと振って見せると、中甲板に下りる階段に向かった。




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posted by ラドリック at 20:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月02日

続・乙女の戦い(ソフィア)

お久しぶり!ソフィアです!

この前東地中海でフランス私掠艦隊に拿捕された私達は、拿捕にもめげずに心機一転、母港であるロンドンに戻って宝石商としての登録を済ませ、宝石の取り扱いを学ぶべく、針路を北東に取ったの。私はまたお兄ちゃんがいぢけると思ってたんだけど・・・・お兄ちゃんも日々成長してるみたいね。

という訳で、私たちは今コペンハーゲンに来ています。北欧で産出される宝石は二つ。琥珀と孔雀石なんだけど、孔雀石は値段の割には儲けが少ないの。その点琥珀は地中海やアフリカなどに持って行けば特産品として高値で買い取ってくれるので、どうせなら儲けが大きい方がいいと思って琥珀を買うことにしたんだけど・・・・これがまた大変だったのよ・・・・・





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2006年04月29日

友、遠来より来る(エド)

お久しぶりです、エドでさぁ。

Manon船長の護衛が終わったあと、あっし達は一旦ロンドンに帰ってきやした。ぼっちゃ・・・いや、船長はやはり中途半端で冒険稼業ををやめるつもりが無いようで、Raging dragonを冒険仕様に戻すために工房長のモーガンと造船所につめてやす。当然船が動かない以上、あっし達も開店休業って訳で・・・・・

「おやっさん!」

おっと、ロイの野郎が呼んでるみたいでさ。なんか変わったことでもあったんですかね・・・?

「ロイ!どうしたい!」

あっしはロイの居る方に歩きながら呼びかけに答えやした。

「おやっさんにお客さんです。なんでも幼馴染だそうで・・・・」

「俺の幼馴染だと?」

あっしはロンドンの生まれじゃありません。生まれたのはアドリア海の再奥に位置するヴェネツィアなんでさ。ですからこっちに幼馴染なんて居ないはずなんですがね・・・

とにかくあっしはその幼馴染が待ってるっていう方に向かって歩きはじめました。





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posted by ラドリック at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月08日

遺言(エルウッド)

青く澄んだ空に無数の煙があがる街並み・・・・

私はラドリック船長に休暇を貰い、北欧最大の工業都市ハンブルグに来ていた。

先の模擬戦で完膚なきまでに叩きのめされたラドリック船長は冒険家に転職し、元々軍艦であるRaging dragonを非武装船に改造して冒険者家業に精を出していた。

無論、非武装になった以上、砲術長である私の仕事は無い訳で・・・・砲術長として、そしてウォルフ家の一員としての自信を失っていた私は、これを機会に一度家に帰ろうと思い、船長に休暇を貰ったのだった。

実は実家を飛び出してから一度も家に帰っていないので一人では帰りづらく、このハンブルグの酒場で兄のイザークと待ち合わせをしていた。

(突然帰ったら・・・・ムッター(母さん)はともかく・・・・ファーター(父さん)はどういうだろうな・・・・・)

私は一抹の不安を抱えながらも、酒場の扉を押し開けた。


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posted by ラドリック at 17:55| Comment(6) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月17日

逃走劇

「航海長・・・どうやら狙われてるらしいぜ」

舵輪を握っているレイモンドの横で、ディックは船尾方面を見ながらそう言った。レイモンドが黙ってディックの見ている方向を見ると、同型の大型ガレーが二隻、距離を置いて航行していた。

「よりによってこんな時に・・・・船長もおやっさんも乗ってないっていうのに・・・・」

彼らを乗せたアラビアンガレーHMS Raging dragonは、黒海をアテネに向けて航行している。ラドリックはエドやソフィアと共に所用でアテネにおり、航海長であるレイモンドが船長代理として航行の指揮を取っていた。

「あの艦型から推測するとオスマンの私掠艦隊か・・・・厄介だな・・・」

レイモンドはそう呟いた。その言葉にディックも頷く。

「だがどういうつもりかね?確かに今のRaging dragonは非武装だが、最大船速で漕げば大型ガレーの一隻や二隻、楽に振り切れるんだぜ?相手もそれはわかってるはずだが・・・・・」

と、ディックが言うとほぼ同時に、メインマストに登っていたロイが叫んだ。

「前方に敵影!!艦型は重ガレー・・・・オスマン私掠艦隊の旗艦の模様!!」


「・・・・だ、そうだ」

レイモンドがディックに肩をすくめてみせる。

「ちっくしょう!後ろの大型ガレーは追い込み役か!どうする航海長!」

「どうするといったってこっちは非武装、しかも船長も副長も不在だ。ムスリム海兵隊の相手は流石にお前さんだけじゃきついだろ。今の俺たちの状態は、猟犬に追い込まれる哀れな獲物と言うわけさ。このまま行けば間違いなく拿捕されるな」

「えらく落ち着いてるじゃないか航海長!じゃあどうするってんだ!」

一向に慌てる様子のないレイモンドに苛立つディック。今にも掴み掛かってきそうなディックを見ながら、レイモンドは言葉を続ける。

「見逃してくれなくても俺達はアテネに帰らにゃならん。船長達に会うためにも・・・そうだろ?」

「・・・・ああ、そうだ」

レイモンドの言葉に頷くディック。

「じゃあ、ここは何とか隙を見出して、この包囲網を突破するしかないだろう・・・・ディック、全員を戦闘配置につかせるんだ!」

「了解だ航海長、久しぶりにお手並み拝見と行こうか!」

ディックはそういうと、周囲に聞こえるように叫んだ。

「総員戦闘配置!ハンモック降ろせ!!」



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posted by ラドリック at 01:27| Comment(3) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月15日

続・似非軍人の憂鬱(エド)

どうもお久しぶりです、エドでさぁ。


あのボルドー沖の模擬戦から数ヶ月・・・・あっし達は戦闘とは無縁な生活を送ってやす。

Julian卿との戦いからこっちうちのぼっちゃ・・・いや、船長は、地中海のあちこちを駆けずり回って冒険者ギルドの依頼をこなしてやす。

本来戦闘艦であるRaging dragonもモーガンの親方に頼んで移動仕様にしちまったんでさ。

船尾楼は取り外すし、船員も最低限、大砲や装甲もまったく装備しない状態にしちまって、ディックなんか「俺の仕事がなくなっちまった・・・・」と嘆く始末・・・・同じく出番のないエルウッドは、船長に許可を取って陸に上がっちまったし・・・・・え?ロイの野郎ですかい?あいつは思うところがあって船長に頭を下げて、地理学の勉強をさせてもらってるようですぜ?

この間もベルゲンがイスパニアの無敵艦隊に襲われたんでやすが、王室海軍からの参戦依頼の手紙も、船長は封も切らずに捨てちまったんですよ。風の噂じゃサセックス伯が頭から湯気出して怒ってるって話なんだが・・・・・うちの船長は何処吹く風でせっせと冒険をこなしてやす。


Julian卿に負けたときには「また当分落ち込むのかねぇ・・・」と思ってたんだが、数時間船長室にこもったあと、急に冒険に出るぞって言ってさっさとボルドーを出航してしまった(勿論、途中でリスボンのドックに入って船体を完全に修理はしたんだが)んで、あっしは「おや?負けたのがショックじゃねえのか?ぼっちゃんも大人になったもんだ」と感心してたんだが・・・どうもそうでもないようなんでさ。


時々模擬戦をしてる海域を通過したりする時に、船長の目が自然と模擬戦を行ってる船の方に向いてるんでさ。表情にはださねぇが、その厳しい視線を見ると、やはり似非でも軍人と呼ばれる身分になった以上、戦いとは縁が切れないのを自覚してるんじゃねえかとあっしは思ってるんですがね・・・・

まあ、当分は冒険を続けるようだし、軍人に復帰できるかどうかもまだわからないんだが・・・・あっしは船長がこのまま燻るとは思えないんですがねぇ・・・


まあ、あっしはどんな事があっても船長についていくだけでさ。それがあっしの役目だと思ってやすし、先代に頼まれた事ですしね。第一、船長はまだまだ半人前だ、あっしがついていてやらねぇと・・・・・・・なんだって?本音を言ってねぇって?・・・・・・そんなこと恥ずかしくて言えるかってんだ(照


(船長と・・・ぼっちゃんと航海するのが楽しくてたまらないなんて・・・・口が裂けても言えねぇよ・・・)

posted by ラドリック at 20:38| Comment(7) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月13日

美術って冒険?(ソフィア)

「・・・・・ひま〜〜〜・・・・・」

私はそう呟くと、船の舷側から陸地の方を見た。ここはナイル川の中流の上陸地点。お兄ちゃんがギルドの依頼でギムと一緒に探索の為に上陸してからもう2日、私たちはお兄ちゃん達の帰りを待ってるの。

「ソフィア嬢ちゃん、そんなこと言ってもしょうがないじゃないですか。ぼっちゃんはソフィア嬢ちゃんを危険な目に会わせたく無いからギムと二人で行くって言ったんですぜ?」

同じく舷側から陸地を眺めていたエドがそう言った。確かに上陸地点には山賊や異民族が居て危険だって言うけど・・・・それでも私は待ってるだけって嫌だなぁ・・・

「だって・・・・お兄ちゃん最近冒険に夢中になって、交易もそっちのけで冒険ばっかりしてるんだもん。私何にもすることが無いじゃない」

私は舷側に頬杖をつきながら言った。

「まあそりゃそうですがね・・・・・でも依頼を受けて貰った報酬や見つけた財宝で、船員達の給料は賄えてますしねぇ・・・」

「確かにそうだけど・・・・でも私はつまんないなぁ・・・・・・あ!お兄ちゃんが帰ってきた!」

上陸地点の奥の方から歩み寄ってくるお兄ちゃん達に、私は手を振った。


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posted by ラドリック at 20:11| Comment(5) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

追憶の酒(レイモンド)

霧の街ロンドン・・・・

イングランド王国の首都であるこの港には、今日も様々な船が停泊していた。
その港地区の片隅にある酒場・・・その酒場はいつも航海士達で賑わっている。そして今日も・・・・


イスパニア私掠艦隊の襲撃を辛くも逃れたラドリック達一行は、ロンドンに戻ってきていた。
そして、しばしの休息を得た水夫達は、我先に酒場に入っていく。航海長のレイモンドも水夫やその他の航海士達と一緒に酒場に入った。


「あら、皆さんいらしゃい」


扉を開けると、看板娘のアンジェラがレイモンド達を迎えた。

「アンジェラちゃん、元気してたかい?俺がいなくて寂しかっただろ?」

甲板長のディックが早速アンジェラの方に歩み寄りさりげなく肩を抱こうとした。それをアンジェラは軽くいなす。

「あらごあいにく様、私はディックさんがいなくても寂しくなかったですよ?他にも優しくしてくださる方はいらっしゃいましたし」

「おいおい、誰だ俺のアンジェラちゃんに手を出した奴は!」

ディックが大声を張り上げる。レイモンドはそのやり取りを聞きながらカウンターの隅に腰掛けた。

「いらっしゃい、今回も無事に帰ってきたようだな」

マスターがグラスを磨きながらレイモンドに話しかけた。

「ああ、なんとか無事に帰ってきたよ、マスター、アイリッシュを一杯頼む」

「あいよ」

カウンターに置いたグラスに後ろの棚から取ったアイリッシュウィスキーを注いだマスターは、そのグラスをレイモンドの方に滑らせた。グラスは寸分の狂いも無く、レイモンドの手元で止まる。

「相変わらずうまいなマスター」

「まあこれぐらいできないと酒場のマスターって奴は勤まらないからな、つまみはいるかい?」

「いや、これだけでいい」

「あいよ、何かあれば言ってくれ」

そう言ったマスターはまたグラスを磨き始めた。レイモンドは手元に止まったグラスを口元に寄せ、グラスを傾けて琥珀色の液体を喉に流し込んだ。喉の奥が焼け付くような感覚が広がる。




(そうだ・・・今回も無事に帰ってきたよリタ・・・・・・まさか今日帰ってくるとは思わなかったが・・・)







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posted by ラドリック at 20:28| Comment(4) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月03日

海魔来たりて(エド)

どうもご無沙汰してます、エドでさぁ。

あっし達は今インドに来てやす。何でインドかって言うと・・・・Ranzo船長主催の模擬戦大会が終了して軍人稼業に一区切りついたんで、ぼっちゃ・・・いや、船長が基本に戻るって海軍に休職願いを出して、ガーランド商会の本業である鉱物商に転職したんでさ。

まあ、元々うちの船長は商人から航海者を始めたんで、今度の転職は一応本業に戻るって事になるんだが・・・・なんせ、先代の意思に逆らって会計士になったりとかした経緯があるんで(もちろん失敗して鉱物商に再転職したんだが)今回もうまく行くか心配なんだが・・・・

で、何でインドにいるかって話に戻ると、今度各国の王室から「カリカットまで到達した者には貸し金庫の数を爵位に応じて増やす」っていうおふれが出たそうで、あっしたちも貸し金庫の数を増やしてもらうために、インドまで来たって訳なんでさ。

まあ、行きの航海では何事もなく、カリカットで無事に金庫の数を増やしてもらったあっし達は、船長の提案で、インド洋に散らばる港を巡りながら、商人ギルドの依頼をこなしてたんでさ。

で、今日も海賊に会うことも無く、あっし達はアデンで受けた依頼をこなすべく、一路カリカットに向かってるんでさ。

なんせ怖いぐらい順調な航海で、あっしも船長も、船の指揮は航海長のレイモンドに任せて、船長室でソフィア嬢ちゃんと三人で、セイロンで仕入れた紅茶を飲んでたんだが・・・・


「船長!おやっさん!大変だ!!」

ロイの野郎が息を切らせながら船長室に飛び込んできやがった。

「ロイ、どうしたい!海賊か!」

「いや、違うんです、とにかく外へ!」

慌てて外に駆け出すロイを追いかけながら、あっしと船長は外に出やした。そこであっしが見たものは・・・・





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posted by ラドリック at 20:02| Comment(3) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月05日

乙女の?戦い(ソフィア)

ふっかけ成功.JPG



こんにちは、ソフィアです!

この前お兄ちゃんがギザのピラミッドで無茶をしたあと、私達はアフリカ大陸の南端にある街ケープにダイヤの買い付けに行ってきました。

ケープは海賊や私掠船が多い事で有名なんだけど、その理由の一つになっているのが西アフリカ大陸で採掘されるダイヤモンドなの。このダイヤモンドはヨーロッパに持ち帰ると凄く高価で買い取ってくれるの。しかも、私達の住んでる北欧ではその傾向が大きくて、イングランドの重要な財源になってるんだって。
だから、ダイヤモンドを買い付けに来る商人の人達があとをたたないんだけど、それを狙って付近の海賊や私掠船も集まってくるし、その海賊や私掠船を退治するために軍人さんも集まってくるってわけ。だからケープは「欲望の街」または「軍人の街」って呼ぶ人も多いんだって。

という訳で、私達はお友達の宝石商の方の協力を得て、HMS Merchant roadの船倉一杯にダイヤを積み込んで、ケープを出航して、一路ヨーロッパに向かったの。
お兄ちゃんは「ここで当分海戦の腕を磨くんだ」って我儘言ってたんだけど、自分で刺した足の傷が思わしくなくて、ベットの上でうんうん唸ってるんじゃ説得力ないので(ほんとに馬鹿なんだから・・・・お兄ちゃんがギムに支えられて帰ってきたときはほんとにびっくりしたんだから!)私とエドで勝手に出航したの。

で、道中は何事もなく、お兄ちゃんの足も完治して、私達は無事に北欧に帰ってきました。
お兄ちゃんはすぐにロンドンに帰りたがったんだけど、ロンドンでは宝石の相場が暴落してるという情報を途中で聞いていたので、ドーバーに寄港しました。
そして、私はいつものように出航所の役人さんと補給とかの相談をしてたんだけど・・・・船の方からエドが血相変えて走ってくるじゃない。

「エド、どうしたの?血相変えて」

「ソフィア嬢ちゃん、今日の取引は坊ちゃ・・・いや、船長に任せたんですかい!?」

「え?私が自分で行くつもりだけど・・・・・」

「・・・・・船長が嬉しそうな顔して積荷の一部を持って交易所に行きやしたぜ・・・・」

「えええ!!」

エドの話を聞くと同時に私は交易所に向かって走り出す。

(お兄ちゃんに商売任せたらどんな事になるやら・・・・)



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posted by ラドリック at 21:08| Comment(5) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月03日

決着 §前編§ (ギム)

「ラドリック様・・・・考え直す気はありませんか?」

私はラドリック様を見据えた。

私の名前はギムレット・ウォーカー、人からはギムと呼ばれている。無論本名ではない。私のような裏の世界に立ち入る者には本名など必要無いからだ。私の今の生業は密偵・・・・そう、私はガーランド家の密偵として、先代の時からガーランド家に仕えている。

しかし、この事は当代のラドリック様を含め、数えるほどの人間しか知らない。私の船での立場は「船長付の交渉担当官」という事になっている。

アレクサンドリアに向かう『HMS Raging dragon』 その船尾楼にある船長室で、私はラドリック様とある事について話し合っていた。

「ギム・・・・お前もあの時の事は覚えているはずだ、俺にとっては屈辱以外のなにものでもなかった・・・」

ラドリック様は私を見ながらそう言った。あの時の事・・・・それは私達がはじめて東地中海に足を踏み入れた頃に遡る・・・


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posted by ラドリック at 20:40| Comment(4) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月14日

似非軍人の憂鬱 (エド)

遺跡に佇む・・・・.JPG

どうも、あっしはラドリックぼっちゃ・・・いや、ラドリック船長の船で副長をやらせてもらってやすエドワード・シモンズというもんでさ、エドって呼んでくだせぇ・・・・って誰でぇ、何処かの船の副長とそっくりだっていってんのは(笑


今あっし達は船長の商会のお仲間のベネット船長一緒に地中海を離れ、インドのアデンに来てやす。
こっちには名匠の大工道具っていう、傷物の船でも新品同様にする大工道具を買うついでに、インド方面の遺跡巡りをする為に来たんだが・・・・どうも船長の様子がおかしいんでさ。

いや、どうおかしいって言われても困るんだが・・・・どうも、この前船長の所属している商会の商会長さんと行ったロードス島でのオスマン艦隊との戦闘が原因みたいなんでさ。

うちの船長は元々先代のあとを継いで鉱物商をやってたんだが、ひょんなことからイングランド海軍に所属しちまって、本業の鉱物商はそっちのけで自称『似非軍人にして似非冒険家』を名乗るぐらいの腕前になったんでさ。似非とは名乗っちゃいるが、船長も結構自信を持ってたみたいで、この前はお知り合いの応援でバルバリア海賊相手に散々暴れたんだが・・・・そのあとに行ったロードス島での戦闘で、オスマン艦隊にコテンパンにされたんでさ。

幸い拿捕はされてないんで人的被害は少なかったんだが、あっし達はあっちの艦隊の集中砲火に右往左往するばかりで、僚艦の商会長様が奮戦してるのを援護するわけでもなく、撃沈されてプカプカと浮いてるだけでざまあなかったぜ・・・・

まあ、あっしに言わせりゃ船長もこの所少々『天狗に』なってたような気がするんで、良い薬だとは思ったんだが・・・遺跡に佇む船長を見てるとかわいそうでねぇ・・・なんせ、船長が鼻垂らしてそこらのガキどもとロンドン橋の上で遊んでる時からあっしはぼっちゃ・・・いや、船長を知ってるんだから当たり前といえば当たり前なんだが・・・

このインドの遺跡巡りが終わったらベネット船長も参加して、バルト海か喜望峰の辺りで徹底的に軍事演習をするらしいんで、それが『似非軍人』復帰の良い起爆剤になってくれりゃ良いんだが。


船長、気合入れてくだせえよ?あっし達も精一杯手伝いやすから!
posted by ラドリック at 19:58| Comment(11) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月13日

困っているレディを助けるのは英国紳士の務め (ディック)

紳士のぽーず.JPG


おいおい、勘弁してくれよ・・・・

俺は思わずため息をついた。ここは地中海に浮かぶシチリア島にあるシラクサって港の酒場だ。船長と俺達HMS Raging dragonのメンバーは、船長の友人のRanzo船長の友人のSora船長の応援要請に応じて、北海からこのシラクサに来たんだが・・・・うちの船長ときたら、Sora船長が酒場に来たと思ったら、いきなり跪いて「お待ちしておりましたレディ、」とかやりだしたんだぜ?

Sora船長は「そんな・・・」って恥ずかしがってるし、酒場の客は白い目で見てるし・・・・・船長に言わせりゃ『レディに挨拶するのに跪かん英国紳士が何処にいる』って事になるんだが・・・・俺の知ってる船長方は誰もそんな挨拶してねぇぞ・・・

取りあえずお決まりの挨拶をしたあと、船長達はもう一人の援軍ベネット船長を待つ間、今回の件について話を煮詰めていた。

俺も横でラムをかっくらいながら聞いてたんだが、どうやらイスパニア海軍と講和条約を結んだバルバリア海賊のハイレディン艦隊が、講和条約に抵触しないイスパニアの民間船を襲っているらしい。
それを聞いた黒鯱傭兵艦隊のバルタザールのおっさんが頭にきて、単艦でシチリア沖に居るバルバリア海賊に喧嘩を吹っかけに行ったんだと。で、側近も連れずに行ったもんだから、慌てた側近のアゴスティノってやつが、旧知のSora船長に救援を依頼したってわけだ。

しかし・・・ハイレディンと言えば、泣く子も黙るバルバリア海賊の親玉だぜ?バルタザールのおっさんも単艦で出撃とは無茶するなぁ・・・

と、考えていると、ベネット船長も到着した。船長達は打ち合わせを済ませて各艦に乗艦。Sora船長の艦を中心に艦隊を組んでシラクサを出航した。

シチリア沖に出ると、すぐに先頭を進むSora船長の船から手旗信号が送られてくる。

『ワレ テキカンヲミユ バルタザールノキカンハレッセイ』

「ディック、準備はいいか?」

船長が前方を見据えたまま俺に問いかける

「いつでも行けますぜ!」

俺の答えに満足したのか、船長は頷いた。それを見て俺は力の限り声を張り上げた。


「全甲板要員に連絡!!戦闘準備! オール手!最大船速で漕げ! 敵旗艦に突撃かけるぞ!!」






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posted by ラドリック at 17:31| Comment(6) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月04日

踊る宝石商?(ソフィア)

こんにちは!私はソフィア・ガーランド、お兄ちゃんの船(ラドリック・ガーランドの事ね)で主計長をやってます。

この前、お兄ちゃんが倒れたあと急に「俺は航海日誌を書こうと思う。だから一般の水夫を除く航海士達は全員日誌を書くように」なんて言い出すから、うちの船は大騒ぎ。私や副長のエドまで日誌を書く羽目になっちゃった。もう・・・お兄ちゃんったら何考えてるのよ・・・

そんな訳で、私達は久しぶりに故郷のロンドンへ帰ってきました。今の私達の行動範囲は北海地中海近辺なので、ここにはちょくちょく帰ってくるんだけれど・・・やっぱり故郷は落ち着くわね。

お兄ちゃんはエド達と酒場に行っちゃったんだけど、私は物資の補給と商品の積み込みの算段をする為に船にお留守番。主計長って航海中には殆ど仕事ないんだけど、港に入港すると途端に忙しくなるの。出航所の人と打ち合わせをしたり、交易所のおじ様と商品の事で熱いバトルを繰り広げたり(笑)

で、一応全ての作業が終わったので、私も船を降りてロンドンの広場に行ってみました。ここの噴水はロンドンの名所で、色んな人がバザーを出してたり、音楽家の方達のストリートライブなんかがあって、いつも賑やかなの。私も船に乗るまでは、お友達のアンジェラや幼馴染のカークと毎日のように広場に来て、ショッピングしたり屋台で買い食いしたりしたなぁ・・・・

てな事を考えながら、銀行のある方向に宛てもなく歩いてたらお兄ちゃんを発見したの。
お兄ちゃんは一人の男の方と歓談してたんだけど・・・・・・
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posted by ラドリック at 21:17| Comment(3) | TrackBack(0) | 航海士達の日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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